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【連載】運営委員リレーエッセイ 第8回「人生100年時代を豊かに生きるための栄養・食生活」

  研究所うんなんは、総勢22名のさまざまなご専門を持つ運営委員の皆様によって支えられています。

 このたび運営委員の皆様にエッセイを執筆していただくことになりました。テーマは「当研究所との関わりやご専門の立場から市民の皆さんに伝えたいことなど」です。


 第8回目は公益社団法人島根県栄養士会 会長 名和田氏によりご執筆いただきました。


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「人生100年時代を豊かに生きるための栄養・食生活」 

名和田

公益社団法人島根県栄養士会 会長


 「食べることは生きること」、2005年施行された食育基本法では「食育」を生きる上での基本とし、「食」に関して正しい知識を持ち、適切に選択する力を身につけることを推進しています。

 生き物は、動物も植物も栄養を摂らなければ生きていけません。きりんは大きな体を維持するために1日18時間も食事に費やしています。雑草はどこまでも深く根を張り、水分や栄養を得ています。一方で、人間にとって食は、楽しみであり、目には見えない心の糧でもあります。自らが食を選択し、楽しんで食べています。「今日は何を食べようか。」「誰と一緒に食べようか」「どこで食べようか」。食を選択する基準は個々それぞれに、日々異なります。

 雲南市では、平均寿命は年々延長し、65歳平均自立期間は島根県7圏域の中で、男女共に最も長い傾向にあります。「食は生命 ~学び・伝え・創造する 雲南の食育の環~」、雲南市食育推進計画の基本理念です。雲南市には古くから豊かな食環境があり、今も地域に根付いた食文化が守られています。新鮮な野菜を使った煮しめやお浸し、美味しいお米を使った炊き込みご飯やもち、焼き鯖寿司など、そして、晴れの日のごちそう、お隣さんからのお裾分け。こんな雲南市の食文化が、市民の健康を支えてきてくれたのではないでしょうか。これからもこの素晴らしい食文化が引き継がれていくことを期待しています。

 多発する災害や昨今の食糧価格の高騰、食を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。「食を楽しむ」「健康を考えて食生活を営む」ということが容易ではない状況も見受けられますが、こんな時だからこそ、時にはみんなで食卓を囲み、地域で集い、食べることの楽しさや大切さを語り合える機会が持てればと願っています。

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