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【連載】運営委員リレーエッセイ 第2回「雲南地域の持続可能な医療体制に向けて」

  研究所うんなんは、総勢22名のさまざまなご専門を持つ運営委員の皆様によって支えられています。

 このたび運営委員の皆様にエッセイを執筆していただくことになりました。テーマは「当研究所との関わりやご専門の立場から市民の皆さんに伝えたいことなど」です。


 第2回目は雲南市立病院 院長 西英明氏によりご執筆いただきました。


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雲南地域の持続可能な医療体制に向けて 

西英明

雲南市立病院 院長


 本年2023年9月16日の雲南地域医療を考える会・シンポジウムにおいて、持続可能な地域医療体制の確保に向けて、雲南市立病院の取り組みを、感染症対策と総合医育成の2点に絞ってお話しした。その要点をここで説明したい。

 まず新形コロナ・ウイルス感染症(新型コロナ)のパンデミック時に、いかに当院が対応したかを説明する。急増する新型コロナ患者に対して、島根県の要請に応じて、包括ケア病棟48床を、感染症病棟4~40床に転換することで、臨機応変に対応した。これにより島根県下で最大の新型コロナ患者数を受け入れる事ができた。院内感染を殆ど起こさず、この患者数に対応できたことは、これから発生するかもしれない新興感染症に対しても、雲南市立病院は同様に、臨機応変に対応可能と考えている。いかなる感染症に対しても当院は、持続可能な医療を提供できると自負している。

 次にこの雲南地域は、医師偏在指数が全国335の二次医療圏中328位と、全国有数の医療過疎地域である。この地域で持続可能な医療を提供するには、この少ない医師数で効率よく診療する必要がある。専門医が多数必要な高度な三次医療は、都市部の高次医療機関に任せて、少ない医師数で、効率よく、需要の高い二次医療までを、この雲南地域で完結させるべきである。そのため雲南市立病院では、幅広く、なんでも診てくれる総合医を育成するべきと考え、全国に先駆け、総合医育成に取り組んでいる。その効果もあって、現在雲南市立病院では、10名の総合医(地域ケア科)が在籍し、活躍している。彼らは、外来では一般内科医として幅広く診療し、病棟では各診療科の入院患者を、病棟医として診療し、さらに退院支援にも関わり、地域包括ケアシステムの一翼を担っている。彼らはこの雲南地域でますます活躍し、この雲南地域の地域包括ケアシステムの構築・持続に貢献してくれると確信している。

 感染症の流行をはじめ、世界情勢、経済状況等々、われわれを取り巻く環境は、常に変化している。持続可能な医療とは、この環境の変化に臨機応変に対応できる医療と考えている。われわれ雲南市立病院は、持続可能な医療を、この雲南地域に提供するべく、これからも“地域医療日本一”を目指して、臨機応変に、精進して行く所存である。雲南地域の皆様には、これからも当院への叱咤激励を宜しくお願いしたい。

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