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【連載】運営委員リレーエッセイ 第1回「縁と運」

  研究所うんなんは、総勢22名のさまざまなご専門を持つ運営委員の皆様によって支えられています。

 このたび運営委員の皆様にエッセイを執筆していただくことになりました。テーマは「当研究所との関わりやご専門の立場から市民の皆さんに伝えたいことなど」です。


 第1回目は運営委員長/東京健康リハビリテーション総合研究所所長・東大名誉教授 武藤芳照氏によりご執筆いただきました。


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「縁と運」 

武藤芳照

運営委員長/東京健康リハビリテーション総合研究所所長・東大名誉教授


 東京から雲南市には、毎回、飛行機で移動しています。「縁結び空港」に降り立つと、いつも身体教育医学研究所うんなんのスタッフが笑顔で出迎えてくれます。これまで何度この地に降り立ったことでしょう。

 設立準備委員会を積み重ねて、平成18(2006)年4月に誕生したこの研究所も、令和6(2024)年には18年目を、令和8(2026)年には20周年を迎え、「成人」の年齢となります。

 この研究所は、保健・医療・介護・福祉・教育・スポーツ等の各分野・領域にまたがる多職種連携(私の名の通り「ムトウ(無党)派」)で、地域に根ざした幅広い教育・評価・研究活動を展開しています。

 その最大の功績は、多くの人との出会いを生み出したことでしょう。すなわち、空港の名の通り、「縁と運を結んだこと」なのです。

 運営委員会を通して、日常の打ち合わせや各現場での実践活動を通して、また、連携・協力機関である身体教育医学研究所(長野県東御市)や当方の東京健康リハビリテーション総合研究所(東京都文京区)との協働事業を通して、数えきれないほど多くの人と人との出会いが生み出されてきました。

 「邂逅(かいこう)こそ人生の重大事である」(亀井勝一郎)、「人生は縁と運、そして恩」(筆者作の座右の銘)。もし、この研究所がなければ、決して出会うことのなかった一人ひとりと顔を合わせ、言葉を交わし、同じ活動・事業を進め、懇談して共に食事をし、地元のワインや銘酒「玉鋼(たまはがね)」を酌み交わす等の楽しく充実した時を過ごしてきました。

 「朋(とも)有り、遠方より来たる、亦(ま)た楽しからずや」(『論語』-学而-)。この研究所の縁と運により老若男女を問わず、様々な「朋」が生まれたのは、大いなる喜びです。

 「研究所」の名が付されていることから、スタッフは白衣を身にまとい、試験管で化学実験や測定・分析等をしているのではないかと敬遠されるような噂もあったと、当初は伺ったことがありました。

 幸いにして、研究所スタッフらのこの18年間の地道な取り組みによって、子どもから高齢者までの地域住民の康と福(「健幸」)を目ざす総合的・実践的な研究活動を継続している機関であることが、広く理解されてきたと思います。

 「身体」「教育」「医学」の3つの言葉が統合された名を有する研究所ですが、最も大切なのは「教育」です。一人ひとりのからだを育み、心を育み、絆を育み、人材を育む教育活動の積み重ねにより、このまちが「幸運なんです。雲南です」(速水雄一元市長)と、誰もが誇らしく語ることができる日を展望して、成人となる研究所を、さらに前に進めましょう。


令和5(2023)年7月の運営委員会


令和5(2023)年7月の運営委員会後の懇親会会場で

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