お店が遠いと、食事バランスを整えにくい可能性
― 中山間地域において食環境を考慮することの重要性を示唆 ―
1.概要とポイント
・食環境を考慮した食の支援が求められる中で、中山間地域に住む高齢者の食環境がバラ
ンスの良い食生活に関連するかどうかを検討した研究は存在しませんでした。
・我々は、中山間地域である島根県雲南市の高齢者を対象に調査を行い、住んでいる場所周辺の食環境と、バランス良く様々な食品を摂れているか(食品摂取多様性が高いか)ということとの関連性を検討しました。
・その結果、自宅が食料品店から遠い者は、普段食べている食品が偏りやすい(多様性が低い)という有意な関連性がありました (下表)。
・食料品店の種別にみると、特にスーパーとコンビニが遠いという食環境において、この関連性があることがわかりました。
・この研究は、初めて、中山間地域に住む高齢者における食料品店との距離と食品摂取の多様さとの関連性を報告しました。
・中山間地域に住む高齢者の栄養改善を目的とするアプローチには、様々な食品をバラン
スよく食べるという食生活実践に距離的な妨げがある地域、つまりスーパーやコンビニから遠い地域に配慮した介入を行うことの重要性が示唆されました。
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論文掲載情報
この論文は、Journal of Epidemiology に早期公開されています (https://doi.org/10.2188/jea.JE20200415)。
公開日:(Version 2)2021 年 6 月 22 日
お問合せ先
身体教育医学研究所うんなん
研究員 五味 達之祐 (ごみ たつのすけ)
電話:0854-49-9050 FAX:0854-49-7050
E メール:shintai.unnan*gmail.com(*を@に変えてください)
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