しまねの国保連載「健康にだんだん―あなたもきっとできる!身体活動のコツー」第45回
​今こそ身体活動編

子どもの身体活動 編

 みなさんこんにちは。雲南市の北湯口です。

 前号の雨止め(雨乞いの反対)の願いも虚しく、大雨が一度ならず二度三度と県内各地に襲いかかりました。雲南市では、幸い人的被害はなかったものの、家屋や道路、農地などが甚大な被害を受けました。県内各地が同様の状況下にあり、今も復旧復興に向けて多くの方々が尽力されていることと思います。このたびの豪雨で被害に遭われた皆さまに心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧復興と従事される皆さまの心身の健康を切に祈っております。

 防災はもはや豪雨災害の多発を前提とする対策が必要となっています。私の立場でできることは、いざ避難するときに素早く行動ができるよう日ごろからからだを動かして体力を維持する重要性を伝え続けること、でしょうか。ぜひ皆さんも、防災のために、適度な身体活動を心がけましょう。

 さて、今号では、夏休みの子どもの遊びや活動について考えたいと思います。よろしくお願いします!

夏休みと言えば…

 今年の夏は、異常な天候に、新型コロナの感染拡大が重なり、あまり外に出かけられなかったという人も多いのではないでしょうか。特に子どもたちは、楽しみにしていた夏のイベントや遊びがなかなかできない状況に、寂しい思いをしたことと思います。夏休みと言えば、虫捕り、海水浴、川遊び、プール、駄菓子屋通い、キャンプ、スポ少(練習・合宿・遠征)、子ども会行事、夏祭り、花火、朝のラジオ体操等々、とにかく外に出かけて遊んだことばかりが思い出されますが、皆さんの子ども時代はいかがでしたか?

体力の基盤となる、夏の遊び

 夏休み中の遊びや活動のなかには、子どもの心と体の成長に欠かせない大切な要素がたくさん含まれています。特に、体の成長という点では、夏ならではのさまざまな遊びや活動を通じて、普段の生活では経験しえない多様な動きの体験機会が増えることによって、生涯を通じた〝体力〞の基盤づくりにつながっていきます。ただ、近年は、異常気象や感染症拡大の影響で、これまでのような体験機会を十分に確保することが非常に難しくなってしまっています。

遊びの工夫、動きの経験に焦点を

 こうした環境下でどのように子どもの夏の遊びや活動の機会を確保していくのか。それは、社会全体で考えるべき重要な課題だと思いますが、そんなことを議論している間にも子どもにとっての大事な時間は過ぎていきます。特に、乳幼児期から児童期までの子ども期は、さまざまな身のこなしが急速に発達する時期です。具体的な方法はさておき、子どもたちに少しでも多様な動きを経験させることに焦点を当て、こうした環境のなかで無理なくやれる事に今取り組むことが大切になってきます。一度過ぎてしまうと取り戻しがききません。

身につけたい、基本的な動き

 とはいえ、〝多様な動き〞と言われてもピンとこない人もいると思います。具体的に、どのような動きを経験させることが子どもにとって望ましいと言えるのでしょうか。そこで今回は、子どもたちの健やかな体の成長のために確保したい、多様な動きの基本的な

種類を紹介しておきたいと思います(図1)。この図に示されている36の動きは、幼児・小児期にたくさん経験をして身につけることが望ましいとされている基本的な動きの要素が分類されたものです。あくまで〝要素〞ですが、こうした動きが日常生活の中になるべくたくさん含まれることでさまざまな動作の基本が身につき、複雑なこともできるようになっていきます。こうした多様な動きの経験は、生活上の必要な動きの獲得をはじめ、とっさの瞬間に自身の身を守ることや、将来的にスポーツの動きなどに結び付き、ひいては生涯を通じた体力・健康づくりにつながると言われています※1。

知って、見つめて、できるサポートを

 紹介した動きは、現代の子どもにとっても決して特別な動きではないと思います。現状の環境ではなかなか経験しにくくなっている動きもあると思いますが、多くは普段の遊びや生活上の動作を通じて経験できるものです。

 子どもが元気に体を動かせる環境がますます狭められてしまっているのが現状ですが、かといってこのまま手を打たずにいてよいわけがありません。私たち大人がまずできることは、さまざまな動きの要素があることを知ること、その上で、日ごろの子どもの動きの様子に目を向けること、そして、今ある生活環境の中でどうしたらこれらの動きを経験できるようサポートできるかを考えること、でしょうか。

 形はどうあれ、体の成長に必要な動きの経験を途切れさせないことは、子どもの将来の可能性を確実に広げるに違いありません。(続く)

図1 36の基本的な動き(山梨大学の中村和彦氏が提唱)

【身体活動のコツ】kokuho564_ページ_2.png

「子どもの身体活動ハンドブック(身体教育医学研究所うんなん,2012)」より抜粋

(参考文献)

  1. 文部科学省幼児期運動指針策定委員会.幼児期運動指針.2012 https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/undousisin/1319771.htm

2021年10月26日

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身体教育医学研究所うんなん

Physical  Education  and  Medicine  Research  Center  UNNAN